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深い暗闇に閉ざされた迷宮にその魔物は住んでいる。
その迷宮に迷い込んだ人間に音もなく近付き、人とも獣ともどちらとも言えぬ声で語り掛けてくる。驚きや恐怖は感じない。逆に、懐かしささえ感じるのだ。
しかし、魔物の問いに答えぬ者を喰らい尽くすと言う。
その時、初めて恐怖と焦りを感じる。
魔物の問いは複雑に交錯し、明瞭でいてそうではない。難解な問いほど容易に答えられ、容易な問いほど答えに苦しむ。
その不合理と合理の空間を右往左往し、苛立ちを感じ始める。己の内で怒りが増大し、その怒りが恐怖を越えるときに人は気づくのだ。己が何故ここに来たのかを。
それは自ら暗闇に立ち、その問いに答えるためなのだ。
やがて、来るその問いに。
魔物は問いに答えた者に光を与え帰るべき道を指し示す。
光に浮かんだ魔物は人面獅身の恐ろしい形相をしているのだが、優しげなその瞳が実に印象的だと言う。
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