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爆弾の星
上島 浩(1978年)

 惑星Aは惑星Bに対して宣戦布告をしてから百万年が過ぎていた。あいにく惑星Aは資源の不足により苦戦を強いられ、敗北の一途をたどっていた。
 ついには先日、自分たちの惑星の外をまわっているK衛星の前線基地までもが占領され、本土決戦へとかわってきた。
 惑星Aの幹部たちはいろいろな作戦をたててみたが、どれも最良のものとはいえなかった。そんなとき、総統の部下の一人が歩み出た。
 彼は片ひざをつき、総統に対して敬意を示して言った。
「我々は資源において、惑星Bに対してかなり劣っています」
「それがどうかしたのか」
「は、しかしながら、リモートコントロールの技術において、かなりのメリットを持っております」
「その通りだ」総統はうなづいた。
「では私がそれをうまく利用して、戦局の逆転、いや、勝利を導いてみましょう」
「なに! そんなことができるのか?」机からのり出して聞き返した。
「もちろんでございます」
 少しの間だ、総統は腕を組んで考えていたが、「では一度おまえに任せてみることにするか」と言った。

 一週間ほどして、戦局はまるっきり反対になっていた。味方の偵察機の報告によると、惑星Bは今や潰滅状態だということである。
 元気のなかった味方の軍も士気あふれ、鬨の声は全宇宙に響かんばかりであった。
 そんなある日、総統は勝利を祝うパーティーを開き、その席上でこのあいだの部下に色々とたずねた。
「私はお前に全てをまかせたので、どうやって勝利を治めたのか、はたと見当がつかない。あれだけの劣勢にもかかわらず勝ったということは、さぞ苦労したことだろう。いったい君はいかにして惑星Bをやっつけたのかね」
 総統は真剣にたずねたが、その部下は笑って答えた。
「なぁに簡単なことです。リモートコントロールして、ある星を惑星Bにぶち当てただけのことです」
「恒星をか?」総統は理解しがたかった。
「まさか! それならコントロール装置を送り込むことすらできませんよ。溶けてしまいますからね」
「なるほど。そりゃそうだ。では、そんな爆弾みたいな星があるものかね?」総統は不思議でたまらなかった。
「それがあったんですよ」
 部下はワインを飲み干した。
「その星の名は?」
「地球」
「エネルギー源は?」
「蓄積された核」

【初出:リトルウィングス(1978.6.25)】
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